更年期障害は病院でどのように治療する?受診するべき診療科目とは?

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更年期障害は他の病気のようにはっきりとした原因が見つかりにくいため、病院に行きたくても何科を受診すれば良いのか分からないことがあります。

また、具体的にどのような検査や治療をするのかが想像できず、不安で受診をためらってしまう方もいるようです。
病院での更年期障害の治療について詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。

更年期障害の治療が受けられる診療科目~女性編~

<婦人科>
産婦人科とよく似ていますが、婦人科は妊娠や出産を扱わず、生理不順、子宮や卵巣の病気、おりものの異常などの診察や治療を専門に行うところです。

更年期障害についても診てもらえるので、まずは検査に出かけてみましょう。
(産婦人科でも、更年期障害を扱っているところがあります)

<更年期専門外来>
更年期障害を専門とする外来のことで、近年、この診療科目を掲げる婦人科や総合病院が増えてきました。
一般的な検査や治療の他にカウンセリングサービスを設けているところもあり「なんとなく調子が悪い。原因が分からない」という不安にしっかり応えてくれます。

更年期障害の治療が受けられる診療科目~男性編~

男性についても、近頃では更年期専門の外来を設けるところが多くなりました。

女性の更年期障害よりも、さらに周囲から理解されにくかった男性の更年期障害なので、このようにバックアップしてくれる施設が増えるのは非常に心強いですね。
また、男性の場合は、ED(勃起不全)や早朝勃起の消失といった性器に関する症状が出やすいので、泌尿器科も診察を受けるのに適しています

更年期障害の精神的な症状が重い場合は何科を受診する?

自覚症状の中でも特に精神的なものが強い場合は、きちんと専門の診療科で診察を受け、適切な対処をすることが大切です。

婦人科や泌尿器科で受ける治療でもある程度の改善は期待できますが、中には幼少期のトラウマが原因になっているような複雑なケースもあるので、病院側もそれなりの知識がないと対応できません。

心療内科や精神科、カウンセリングもうまく利用しながら、少しずつ治療を進めていきましょう。

<精神科、心療内科、カウンセリングの違い>
簡単に説明すると、精神科は心の問題だけを扱うところ、心療内科は心の問題がきっかけとなる身体的な症状を治療するところ、カウンセリングは悩みを聞いたりアドバイスしたりするところです。

このうち、カウンセリングだけが医療行為に該当しないので、保険適用の対象にもなりません。

ストレス社会の現代では、心の問題を抱える人が年々増えています。
そのため、一般的な内科のように、直接訪ねていってその日にすぐに診てもらえるわけではなく、予約をとった上、何ヶ月も順番待ちをするのが普通です。
評判の良いところほど予約がとりにくいので、早めに連絡を入れておくようにしましょう。

病院で行われる更年期障害の検査~女性編~

<問診>
受付で記入した問診票を元に、普段の生活習慣や持病の有無など、更年期障害の原因になり得る事柄について、医師から質問を受けます。

問診の具体的な内容について解説しているページはコチラです

<血液検査>
▼E2検査
エストロゲンの主成分である「エストラジオール(E2)」の数値を調べます。
E2は、卵胞期前期10~78、卵胞期後期31~200、排卵期103~366、黄体期後期25以下が基準値ですが、卵巣の機能が低下して閉経が近づくと18以下にまで下がります。

▼FSH検査
卵胞刺激ホルモン(FSH)の数値を調べます。
FSHの基準値は、卵胞期3.01~14.72、排卵期3.21~16.60、黄体期1.47~8.49ですが、閉経が近づくと20~30台になることが増えてきます。
※FSHは、卵胞に刺激を与えてエストロゲンの分泌や卵胞の発育を促すホルモン

▼LH検査
黄体形成ホルモン(LH)の数値を調べます。
LHの基準値は、卵胞期1.76~10.24、排卵期2.19~88.33、黄体期1.13~14.22ですが、閉経が近づくと5~6台になることが増えてきます。
※LHは、排卵やプロゲステロンの分泌を促すホルモン

<その他の検査>
更年期障害の症状には別の病気が隠れている可能性もあるので、今の体の状態に合った治療法を探るためにも、次のような項目の検査を併せて行う場合が多いです。

▼内診
指や器具を膣内に挿入し、卵巣や子宮の状態を調べる検査です。
内診を受けることにより、卵巣の腫れ具合や子宮がんの有無などを発見しやすくなります。

▼超音波検査
超音波を体に当て、そこから返ってくる反射を映像化して卵巣や子宮の状態を調べる検査です。
お腹の上から超音波を当てる方法と、膣内にプローブを挿入して行う方法がありますが、膣内での検査のほうが細かい部分までよく映ります。

▼細胞検査
綿棒や柔らかいブラシで子宮頚部(子宮の入り口)をこすり、採取した細胞を顕微鏡で調べる方法。特に痛みはありません。
細胞検査を受けることにより、子宮がんの有無が分かります。

▼乳房検査
触診、マンモグラフィー、乳房超音波検査などによって、乳房内部の腫瘍の有無、しこり、乳管の状態等を調べる方法です。

▼骨粗しょう症検査
エストロゲンの分泌量が減ると骨密度が減少し、骨がもろくなるので、この状態を調べるため、X線検査や超音波検査を行います。

病院で行われる更年期障害の検査~男性編~

<問診>
男性の場合も、更年期障害の検査ではまず問診が行われます。
問診の具体的な内容について解説しているページはコチラです

性的能力の変化や状況について聞かれるので答えにくい場合もありますが、治療方針を決めるにあたって必ず必要となる情報なので、できるだけ正直に答えるようにしましょう。

<血液検査>
血液中のテストステロン値を測る検査ですが、テストステロンは起床時~午前11時頃までがピークなので、採血は午前中に行われます。
テストステロンの数値が11.8pg/ml以上であれば正常範囲内ですが、8.5pg/ml以下になると、ホルモンを補給する必要性があると判断されます。

<その他の検査>
男性特有の更年期障害の症状には、しばしば前立腺の病気が隠れていることがあるため、超音波検査や前立腺がん検査などが併せて行われる場合も多いです。

▼超音波検査
肛門からプローブを直腸に挿入し、前立腺の内部を映し出して調べる方法です。
前立腺の被膜が不鮮明だったり、黒い影が認められたりした場合は、前立腺がんの可能性があります。

▼前立腺がん検査
「PSA(前立腺特異抗原)検査」とも呼ばれるもので、血液中に存在するPSAの数値を調べます。
前立腺がんにかかっていると大量のPSAが血液中に放出されるので、この検査の数値が高ければ罹患を疑います。

▼直腸内触診
肛門から直接指を入れ、前立腺を触診して前立腺の状態を確認する方法です。
前立腺が硬くごわごわしている場合、がんの可能性があります。

更年期障害の検査を内科で受けることはできる?

内科でも更年期障害に関する基礎知識を持っている医師はたくさんいますが、やはり本格的な検査や治療となると、専門の施設のほうが望ましいです。

ただ、最初に内科を受診することである程度の方向性は分かるので、どの科に行けば良いのか分からない場合は、とりあえず内科で相談してみると良いでしょう

更年期障害の検査にかかる費用はどれぐらい?

病院によって多少前後しますが、更年期障害の検査には保険が適用されるので、かかる費用は男女ともおよそ5,000円ぐらいです。

基本的な検査を受けた後、もう少し別の検査も必要だという時にはさらに料金が加算されますが、その場合でも10,000円を超えるケースはあまりみられません。

更年期障害の治療に関するガイドラインについて

更年期障害において、女性の場合は「産婦人科診療ガイドライン」男性の場合は「LOH症候群診療ガイドライン」が定められています。

これは、患者さんに対してより安全で効果的な治療を提供するためのもので、必要に応じて内容の見直しをすることもあります。
病院ではこのガイドラインに沿った診断や治療が行われるので、大きなトラブルが出にくいのです。
※内容の転載は禁じられているため、HPのURLを載せておきます。

「産婦人科診療ガイドライン」http://www.jsog.or.jp/activity/guideline.html

「LOH症候群診療ガイドライン」https://www.urol.or.jp/info/data/gl_LOH.pdf

病院で受けられる更年期障害の治療方法

<ホルモン補充療法>

注射、パッチ薬、塗り薬、飲み薬によって不足した女性ホルモンや男性ホルモンを補給し、症状を緩和させる方法です。

男性の場合は、効き目の強さを考慮して注射が使われることが多いですが、希望によって他の方法も取り入れることができます。

▼補給するホルモンの種類は体の状態によって変わる

女性の場合、ホルモン補充療法で使われるホルモン剤には、エストロゲン単独プロゲステロン単独エストロゲンとプロゲステロンを一緒に配合したものの3種類があります。

子宮がある女性には、エストロゲンとこれの過剰な増殖を防ぐためのプロゲステロンが併せて処方されます

しかし、子宮を摘出している女性の場合は子宮がんのリスクがないため、エストロゲン単独のものが使われます

また、飲み薬には胃腸や肝臓に負担がかかりやすいというリスクがあるし、パッチ薬はかゆみやかぶれが起きることがあるので、こうした点も慎重に考慮する必要があるでしょう。

▼一般的なホルモン剤の使われ方と費用
・注射/1本あたり1,000円~2,500円程度。頻度は月1~2回。
男性の場合は125㎎なら2~3週間ごと、250㎎なら3~4週間ごと。費用は1本あたり1,000円~5,000円程度。

・パッチ薬/1ヶ月分で1,500円~2,500円程度。2~3日ごとに貼り変える。

・塗り薬/1ヶ月分で3,000円~5,000円程度。1日1回塗布する。

・飲み薬/費用は美容院によって異なる。飲む回数は通常1日1回。
20代~30代の「若年性更年期障害」の場合はピルが使われることもあり、費用は1ヶ月分で2,000円~3,000円程度。毎日決まった時間に1錠ずつ服用します。

▼ホルモン補充療法の副作用

・女性/不正出血、乳房の張り、下腹部の痛み、おりものの増加、吐き気、頭痛など

・男性/赤血球の増加、肝機能障害、脂質代謝異常、前立腺がん、にきびなど

<漢方薬>

乳がん、子宮がん、血栓症、前立腺の疾患などがある場合は、ホルモン補充療法を受けることができません

また、体内にホルモン剤を入れることに抵抗があったり、体質に合わなかったりすることもあるので、その場合は漢方薬を使った治療も選択肢の1つとなります。

漢方薬は、なんらかの理由で滞った「血・気・水」の流れを改善し、不調を根本から治していくもの。
体質に合うものを飲むことが大切で、これを守らないと重大な副作用が出る恐れがあるので気を付けてください。

女性の更年期障害に適した漢方薬の種類や副作用について

男性の更年期障害に適した漢方薬の種類や副作用について

▼漢方薬の治療にはどれぐらいの費用がかかる?

漢方薬を病院で処方してもらう場合は、保険が適用されるため、1ヶ月分で2,500円~5,000円ぐらいの費用負担となります。
ただ、ほとんどのものが生薬から抽出したエキスで作る「医療用エキス製剤」であり、万人向けに作られているため、細かい症状には対応しにくいというデメリットも。

もっと自分に合った漢方薬を使いたいという場合は、生薬を煎じて作ってくれる漢方薬局を探してみると良いでしょう。
ただし、漢方薬局では保険が使えないため、1ヶ月分の薬代は高額になります。

<プラセンタ療法>

プラセンタ療法は、注射やサプリを用いて、アミノ酸やビタミンなどの栄養素、細胞の新陳代謝を促す成長因子などを補給するというもの。

血行促進、疲労回復、造血などの作用で、更年期障害の症状を緩和していきます。
注射の原料はヒトの胎盤から抽出したエキスですが、サプリは馬、豚、羊の胎盤から抽出したエキスで作られています。

ちなみに、注射には「メルスモン」「ラエンネック」という2つの種類がありますが、このうち、更年期障害の治療に認められているのはメルスモンだけです。

▼プラセンタサプリの副作用
サプリの場合は、これまで特に重篤な副作用は報告されていません

ただ、たんぱく質やアミノ酸を多く含むため、稀にアレルギー反応を起こす人はいます

また、プラセンタの作用によって体の機能が改善していくので、その過程で軟便や生理不順などの好転反応がみられることがあります

▼プラセンタ注射の副作用

注射の場合は、針を刺した部位に疼痛や発赤が起こることがありますが、これは半日程度で自然に治まります。
また、人によっては悪寒、発熱、悪心、発疹、発赤などの副作用が出ることもあるので、つらい場合は投与を中止しましょう。

プラセンタ注射を受ける際、最も注意するべきことは静脈に打たないことです。
静脈注射を行うとアナフィラキシーショックを起こす危険性があるので、必ず皮下注射にて投与を受けてください。

同じ理由で、ビタミン剤などを混ぜた「カクテル注射」も避けたほうが無難です。

▼プラセンタ注射の保険適用について
女性の場合、更年期障害の治療を目的としてプラセンタ注射を打つなら、保険を使うことが認められています

ただし、大まかな年齢制限(だいたい45歳~55歳ぐらい)があるので、医師からの許可が下りない場合は自費になるケースもあるでしょう。
また、メルスモンを保険で打つのは1回1アンプルまでと決められているので、それ以上同時に打ちたい場合はオーバーした分だけ自費になります。

男性に関しては、肝機能障害の治療を目的とする場合に限り、プラセンタ注射の保険適用が認められています。
男性の更年期障害の治療には保険が適用されないので、注意してください。

▼プラセンタ注射と献血について

プラセンタ注射に使われる原料は、安全なものだけを厳選して加工に回されています。

しかし、ヒトの胎盤を使う以上「変異型クロイツフェルト・ヤコブ病」を100%防げるとは限らないため、一度でも注射を受けたことのある人は、二度と献血をすることができません

病院は更年期障害改善の強い味方!賢く利用しよう

病院における更年期障害の検査、治療方法について説明しましたが、いかがでしたか?

症状が軽い場合はセルフケアでも対処できますが、日常生活に影響を及ぼす状態ならきちんと治療を受けることが必要です。
更年期障害の検査や治療には一部を除いて保険が使えるので、我慢せず、早めに診てもらうようにしましょう。

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